内幕誌

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ソニックフォース レビュー・評価

ソニックフォースのレビュー的なものです。

以前クリアした後にツイッターでちょこっと書いただけだったので改めてまとめておきたかったのと、

アマゾンのレビューがあまりにもお粗末でアテにならないので、これから購入を検討している人のために「ソニックフォースを購入・クリア済みで」「モダンソニックシリーズをそこそこプレイしている経験者」という立場からレビューを書いておこうと思ったので。

 

いくつかの項目に分けて評価したいと思います。

 

・アクション・ステージ ☆☆☆☆☆★

 ほぼ文句なしです。今作はステージごとにモダンソニックアバター、クラシックソニック、モダンソニックアバターの4タイプの操作キャラが定められており、それぞれのアクション性やステージに違いが見られます。しかし操作性は非常にシンプルであり、アクションに難儀することはないです。どれも完成度が高いものでした。

 モダンソニックはこれまで通りのハイスピードアクション。今作の製作チームがカラーズ・ジェネレーションの製作チームということもあってか、ステージ構成やアクション要素はカラーズのそれにもっとも近いです。進化した「ヘッジホッグエンジン2」によってスピード感は過去最高クラスで、やっとカラーズの爽快感が戻ってきたという感じです。さらに後述のアバターモードにアクション面を多く任せているおかげか、カラーズよりも足を止めるギミックは少なく、軽快にプレイできました。

アバターはいわば今までのモダンソニックシリーズの2Dのギミックアクションを重視したようなもの。カラーズ以降おなじみになったカラーパワーは今回はアバターが使います。これによってモダンソニックではよりスピード性を重視することができ、その分アバターでアクション要素を増やすというきちんとした区切りができていていい作り方だと思いました。アバター特有のワイヤーアクションやカラーパワーはしっかり作り込まれていました。

クラシックソニックはジェネレーションズでもあったように完全2Dのクラシックスタイル。僕はクラシックソニックについてはモダンソニックよりも少々疎いのですが、ジェネレーションズと同じくクラシックスタイルのステージの特徴をしっかり捉えている良い出来栄えだと思いました。

モダンソニックアバターはその名の通りモダンソニックアバター二人を同時に操作して駆け抜けるステージ。それぞれの固有のアクションには別々のボタンが割り振られているため、ストレスなくモダンソニックのアクションとアバターのアクションの切り替えができます。ソニックのブーストもしっかり使えることから、ある意味このモードが一番カラーズに近いと言えるかもしれません。

さらに、残機制が廃止されミスからの復帰がスムーズになったほか、ステージセレクトも簡便にできるようになり遊ぶ上でよりストレスフリーになっていたのは大胆な変化ながら良い選択だったと思います。

少し残念な点としては、僅かながらにあったモダンソニックステージのバグじみた挙動とクラシックソニックステージの強制スクロールでしょうか。ステージをすり抜けたりするバグはモダンソニックシリーズお馴染みでもあるのでなんとも言えませんが、クラシックソニックステージに1箇所ではあるものの強制スクロールがあったのが残念。ソニックというゲームに合っていないシステムなので必要性は薄かったのではないかと思います。

 

・BGM・楽曲 ☆☆☆☆☆☆

こちらはまったく問題点なし。非の打ち所がありません。さすがソニックチームと言える出来栄えでした。

モダンソニックのBGMは従来通りの爽快感あるBGM。アバターステージにはかなり久々になるボーカル入りステージ曲が採用されましたがボーカル部分とBGM部分のバランスが良く、歌詞もシチュエーションにあったものが考えられており素晴らしい出来でした。クラシックソニックも過去作品の8Bitを思わせるようなピコピコ音の目立つ懐かしい雰囲気ながら、爽快感もしっかり表現されていました。

また、過去作品をプレイした人にも新規の人にも嬉しい過去楽曲のリミックスも一部あり、嬉しい特典でした。

さらにカラーズ以来となるボーカル入りメインテーマ・エンディングテーマの復活。さらにさらに2006年の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ(新ソニ)」以来となるライバルキャラのテーマも復活しました。全て「見事」の一言に尽きる素晴らしい楽曲でした。ジェネレーションズ以降ボーカル曲が廃止され落胆していましたが、今回ソニックチームがしっかりとニーズに応えてくれました。

別記事でオススメ楽曲紹介してるのでよければ。

ソニックフォースのBGMを語る - 田舎マックの遠征記

 

・ストーリー ☆☆☆★★★

カラーズから脚本家が変わりそれ以前に比べて少し評判がよろしくないソニックシリーズでしたが、今回はまぁカラーズやロストワールドに比べればだいぶいいストーリーだったと思います。過去作品のキャラが多く登場しますが全員キャラ付けは過去作品のようにしっかり行われていました。オールスターをうたってはいましたが、公式サイトなどでキャラクターの情報を少し仕入れておけばこの作品から初めてソニックシリーズに入ってもついていけないと感じることはないでしょう。

特に評価できるのはアバターがしっかり物語に絡んでいた点。これまでのソニックシリーズの多くの登場人物の中に混じっていましたが、添え物になることなくしっかりと一人のソニックシリーズの登場人物としての役割、立場、見せ場があり、これまで以上に物語に感情移入できました。

残念だった点は大きく二つで、まず後述のボリュームの点に引っ張られてこちらも少し量が足りなかったと感じてしまうこと。「起承転結」の「承」と「転」が足りないといった感じです。あらすじはしっかり作られており、結末も満足いくものでしたが、ストーリーの進行の過程があっさりしすぎていると感じる部分は時々ありました。題材は良かっただけにボリュームがなかったのは惜しまれます。

もう一つはクラシックソニックの存在。ジェネレーションズよろしく彼も再び登場はしましたが、彼のみイマイチ本筋への絡みが少なく、いなくてもストーリーは十分成立しただろうというのが正直な感想です。また、少しアクション面の話にもなりますが、クラシックソニックだけ他のモードと大きく仕組みや構造が違うので、そういう点でも入れなければいけない、というわけではなかったと考えてしまいました。

 

・ボリューム ☆☆★★★★

厳密には星1〜2の間といった感じ。このゲームがよく言われる「賛否両論」の「否」の部分はおおよそこの要素に起因していると思われます。

とにかく少なかった。1日でクリアできるモダンソニックシリーズは初めてでした。ステージ数も3DS版ジェネレーションズと同じくらいの少なさだったのではないでしょうか。カラーズの製作陣ということでステージ数にも期待していましたが、カラーズやワールドアドベンチャーHD版に大きく差をつけられています。ワールドアドベンチャーSD版のミッション的なステージやウェアホッグステージを全てアバターに置き換えていると考えても少し少ないくらいでしょうか。

そのステージ数をさらに前述の4つのモードで分割しているので、全モードを楽しめる人はまだしも、クラシックソニックステージが苦手な僕のようにどれかが苦手・嫌いだったりすると余計に少なく感じてしまうかもしれません。

ただしボリューム不足と感じるのは一概に悪い要素ばかりだからではないとも考えています。前述したようにミスからの復帰やステージセレクトはより素早く行えるように改良され、ステージ中にも複数ボタンによるQTEなどはなく、QTE自体もそこまで頻度は多くありませんでした。これまでのソニックシリーズでのいわゆる「グダる」要素がかなり改良された結果、ボリューム不足に感じてしまったのではないかとも思っています。

さらに、DLCという可能性もあります。現状はシャドウストーリーとアバター着せ替えが少しのみですが、ワールドアドベンチャーのようにこの先DLCによる新たなマップをはじめとした追加要素がないと断言することはできません。もしDLCが配信されるならば、ボリューム面はこれから補完していくことは十分可能だと思うので、今後に期待です。

このような理由から、ボリューム面においても最低評価にはしませんでした。

 

総合評価 ☆☆☆☆☆★

厳密には星4〜5の間くらい。要素ごとにプラスの評価点とマイナスの評価点がはっきりと分かれた作品でした。ただし、マイナス点がプラス点を潰すほどのものではなく、十分に良ゲーと言える作品だったと僕は思いました。そのマイナス点をこの先改善してくれることに期待しています。

とっつきやすくシンプルな操作性とソニックシリーズにふさわしいBGMから、モダンソニックシリーズ経験者としてオススメできる作品だと思います。

 

 

ついでに、アマゾンにあったお粗末なレビューをいくつかとそれに対する反論を少し。

・ドリフトがない!アクションが単調でつまらない!

→そもそもカラーズはドリフトが実質廃止同然だったしそれでも爽快なアクションを楽しめた。今作も同じ。ワールドアドベンチャーとジェネレーションズに固執しすぎ。単調×シンプル○。

 

・ 理不尽な落下ポイントやテンポの悪い足場乗り継ぎが多い!

→落下ポイントは過去と比べても理不尽でもないし多くもない。足場乗り継ぎもカラーズより少ない。アバターステージに多いのはアクション重視だから。落下ポイントはワールドアドベンチャーより改善されてるし足場乗り継ぎはカラーズより改善されてる。しょうもないヌルゲーにする気か。

 

・やり込み要素が少ない!

→そもそもモダンソニックのやり込み要素なんて大部分がTAなのにこれ以上どうしろというのか。今作にも赤リングはあるし少ないということはない。

 

・アドベンチャーにはもう戻れないのか

・新ソニ以来にやったけど期待はずれ

→秘密のリング以降システムがガラリと変わったのに何を言っているのか。感触は違って当然。過去作品がやりたいなら過去作品をやれ。

 

こんなところです。

僕の評価・意見が全てではないですが、もしこれで興味が出たのなら是非プレイしてください。僕以外の方の意見も気になるならどうかアマゾンレビューではなくツイッター等でプレイ・クリアした方の意見を伺ってください。

ソニックファンが一人でも増えることを願います。